脳血管障害
脳血管障害

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりすることで、脳の働きに障害が起こる病気です。
大きく分けると、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れて出血する「脳出血」、脳を覆う膜の間に出血する「くも膜下出血」があります。
脳卒中の大きな特徴は、それまで元気に過ごしていた方にも、突然起こる可能性があることです。
脳卒中は命の危険性だけでなく、手足の麻痺や言語障害などの後遺症が残り、その後の生活に大きな影響を及ぼすこともあります。
そのため、発症した場合の早期対応はもちろん、「発症する前にリスクを知り、予防すること」も非常に重要です。
脳卒中のリスクを高めるものとして、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病と深く関係しています。
特に高血圧は脳卒中の重要な危険因子のひとつです。健康診断などで血圧の高さを指摘された方は、そのままにせず、日頃から血圧を測定し、適切に管理することが大切です。
また、血糖値やコレステロール値の管理に加え、喫煙や過度な飲酒、運動不足などの生活習慣を見直すことも脳卒中の予防につながります。
日常生活では、塩分を控えたバランスの良い食事、適度な運動、こまめな水分摂取などを心がけましょう。
「症状がないから大丈夫」とは限りません。
脳や脳血管の異常の中には、自覚症状がほとんどないまま進行しているものもあります。
健康診断では血圧や血液検査などから脳卒中のリスクを確認することはできますが、脳そのものや脳血管の状態まですべて確認できるわけではありません。
そのため、年齢だけで判断するのではなく、高血圧・糖尿病・脂質異常症を指摘されたことがある方、ご家族に脳卒中を経験された方がいる方、喫煙習慣がある方などは、一度ご自身の脳の状態を詳しく調べておくことも大切です。
大塚南あたまとからだのクリニックでは、MRIを用いた脳の精密検査・脳ドックを行っています。
MRI・MRA検査では、脳の状態だけでなく、脳血管の状態についても詳しく確認することができます。
「まだ若いから大丈夫」
「今まで大きな病気をしたことがないから大丈夫」
そう思っている方にも、症状がない今だからこそ、ご自身の脳の状態を知っていただきたいと考えています。
脳卒中を「起きてから治療する」だけでなく、「起きる前にリスクを見つけ、予防する」。
当院では、脳神経外科の専門的な視点から、一人ひとりの脳の健康をサポートしてまいります。
近年は発症の若年化が進んでいます。ご年配の方はもちろん、働き盛りで忙しい方こそ、健康診断に加えて定期的な脳の精密検査をおすすめします。
脳梗塞は脳の動脈が詰まる、あるいは狭くなることで、血流が滞り、脳の細胞が障害を受けたり死滅したりする病気です。症状には、急に手足が動かなくなる、感覚が麻痺する、言葉がうまく話せない、話が理解できない、意識がなくなるといったものがあります。
病型には、血栓の詰まる血管の太さや、血栓の詰まり方によってさらに「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳塞栓」の3つに区別されています。
上記のような症状がみられた場合には、脳梗塞を疑い、一刻も早く精密検査を受けていただく必要があります。
頸動脈狭窄症とは、心臓から脳に向かう頸動脈が動脈硬化を起こし、血液が流れる道が狭窄した状態を指します。この狭窄により脳への血流が十分届かなくなった場合、立ちくらみや揺れるようなめまいなどの症状を訴えることがあります。また、狭いところで流れが悪くなった血液が小さな血の塊(血栓)となり、それが血流にのって脳に到達し、脳梗塞と同じような症状を起こすことがあります。この症状が、24時間以内(多くは1時間以内)に消失する場合、一過性脳虚血発作(TIA)が疑われます。この発作は脳梗塞の前触れとして出現することがあるため、注意が必要です。
脳梗塞は後遺症を残す可能性の高い病気ですが、一過性脳虚血発作の早い段階で発見し、適切な薬物治療などを開始することで、後遺症なく脳梗塞の発症を予防できる可能性があります。軽い症状であっても、すぐに受診してください。
脳出血は脳の細い血管が破裂し、血液が漏れ出て神経細胞を障害します。脳から出血した血液はやがて大きくなると、脳の内部の圧力(脳圧)が高くなったり、血液の塊が周囲の正常な脳細胞を圧迫したりします。こうしたことが脳細胞のダメージとなり、麻痺や感覚障害などの後遺症をまねく原因になります。
出血した場所や出血の大きさによって症状は異なりますが、ほとんどの場合、頭痛があり、手足に力が入りにくい、ろれつが回らない、顔がゆがむ、吐き気や嘔吐といった症状も、しばしば認められます。大きな出血では最悪の場合、意識障害、あるいは生命にかかわることもあります。
原因として多いのは、高血圧が起因の動脈硬化が進行して起こる脳出血です。高血圧症の方は、全身の血管の動脈硬化が進みやすく、脳の細い血管の壁も脆くなっています。そこに、さらに高血圧による強い圧力がかかり続けることで、血管が破れてしまい脳内で出血を起こします。
近年、日本では、減塩の取り組みや高血圧の内科的治療が広く行きわたり、脳出血で亡くなる方は減少してきています。ただ一方で、高齢化社会という背景だけでなく、抗血栓薬(血管内に血の塊をできにくくする薬)を服用されている方が増えていることもあり、脳出血にはまだまだ注意が必要です。
脳を保護する頭蓋骨の内側は外から順に、硬膜、くも膜、軟膜で覆われており、くも膜と軟膜のすき間をくも膜下腔といいます。ここには、脳を循環する脳脊髄液と動脈・静脈が存在し、この動脈に瘤(こぶ)や動脈硬化が生じると、血圧が上昇した際に破裂することがあります。破裂によって出血した血液は、くも膜下腔に瞬く間に広がります。この病態がくも膜下出血です。突然の激しい頭痛が特徴で、「ハンマーで殴られたような痛み」などと表現されます。経験したことがないような強烈な痛みで、大部分が吐き気や嘔吐を伴い、意識がもうろうとしたり、意識を失ったりすることもあります。出血が少ない場合は意識が回復することもありますが、出血量が多い場合や、脳内に血液が流れ込んだような場合には、死に直結したり重篤な後遺症が残ったりする可能性も少なくありません。
くも膜下出血の治療で最も重要なことは、できるだけ早く破裂した脳動脈瘤を発見し、再破裂しないように処置をすることです。また、脳動脈瘤は一度破裂してしまうと短時間のうちに再出血しやすく、入院による絶対安静が必須となります。
動脈瘤とは、心臓から新鮮な血液を身体全体に送る動脈が、部分的に円筒状や瘤状に膨らんだ状態をいいます。これが脳の動脈にできたものが脳動脈瘤です。破裂したものを破裂脳動脈瘤と呼び、破裂していないものは未破裂脳動脈瘤と呼びます。
小さい脳動脈瘤は破裂を起こす危険性が低いため、慎重に経過観察することが一般的です。大きいものは無症状のこともありますが、片方のまぶたが下がったり、物が二重に見えたりする症状が出ることもあります。未破裂の状態で発見できれば、手術により、くも膜下出血を未然に防ぐことが可能です。
高血圧、動脈硬化、喫煙、頭部の外傷などの危険因子がある場合は、症状がなくても検査を受けておくことをおすすめいたします。
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